純文学でもミステリーでも推理小説でもない本と言われてまず思いついたのが、
ノンフィクション作家の最相葉月さんの 「絶対音感」 と 「青いバラ」。
「青いバラ」については
ここ に書いてありますので参考にどうぞ。
両著共、膨大な参考資料と何年にも渡る取材に支えられた文章は、
取材相手やテーマへの人並みならぬ情熱がひしひしと伝わってきます。
ただ、音楽やバラへの興味が全然なければ本の厚みが苦痛になるかもしれません。
ところで純文学の線引きって難しいですね。
wikiで見てみると、「商業性よりも芸術性・形式に重きを置いた小説」 となってます。
反対は大衆文学。
村上龍も町田康も綿矢りさも純文学作家となってますが、
私には大衆文学作家といった方がピンときます。
文学賞を取った人が純文学作家なら奥田英朗さんも純文学?
なわけで、リクエスト通りではないかもしれませんが境界線ものを。
SFファンタジー純文学とエンターテインメント文学の境界線を一冊。
ロバート・A・ハインラインの 「夏への扉」。
SFの名作中の名作なのでもう読まれているかもしれませんが、
何度読み直しても感動する貴重な一冊です。
猫が重要な役割を果たしています。
タイトルからも素敵な予感が漂ってませんか?
設定は全く違いますが、読んだ後に、この「夏への扉」を思い出させるのが
北村薫の 「スキップ」、「ターン」、「リセット」。
北村さんの本は登場人物の描写に温かみがあってどれも好きなのですが、
この<時と人シリーズ>三部作はその中でも特にお気に入りです。
結末が素晴らしく、ジワ~っと感動が溢れてきます。
「ターン」→「スキップ」→「リセット」 の順で読んだらいいかもしれません。
hide先生が撮られる南国の海やヤシの木を連想させるのが
池澤夏樹の 「夏の朝の成層圏」。
船から海に落ちて漂流し、島に辿り着いた男性が主人公。
島での苦労話、冒険話ではなく、島の自然と徐々に一緒になっていく
これまでとは違った自分を見出す生活が描かれています。
最後に、これはオマケ。
桃白歩実の 「関西弁で愉しむ漢詩」。
名前でアレ?っと思われた方、そうです、ハンドルネームです。
ということはサイトもあるのでして、「えごいすとな思想」で検索してみて下さい。
漢詩なんてまだ、全く、全然興味なかった三年前に、たまたまこの本を見つけ読んでみたら、
なーんだ、漢詩って実は面白いのね、 と思ったありがたい一冊。
李白さんも杜甫さんも悩みはったんやなぁ~ ということが分かりますよ。
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