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Somewhere Anywhere

日々の雑感を写真と共に

絵を描く風景  




絵の基本はデッサン・スケッチだと思っていました。
どんなに有名な画家でも絵の完成までに何枚もの下絵を残していることからも
多分それは間違っていないでしょう。

芸術学部のある大学の周りでは、スケッチをしている
時にはイーゼルを立てている人の姿を見ることも珍しくありませんでした。
と過去形なのは、何年振りかにそういう学生を見かけたからです。
すぐ横を通る人がいる中で、フリルのように大きく開いた桃色の芍薬の前にしゃがみ込み
花と自分の手元を何度も見比べていました。

外に出て絵を描いている学生を見かけなくなったのは一体いつの頃からだろう。
大人数や見ず知らずの他人と一緒になることを嫌い、人目に付かない
個人・身内単位のスタイルが定着した頃からだというのは考えすぎでしょうか。
絵を勉強している学生が外に出て描くという当たり前だった光景は
既に懐かしいものになってしまったようです。

花の前にかぶり付くように座っていた彼女の姿は愛おしいくらいでした。

category: 写真・アート

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