先に行ったことのあるモンステラさんから「ここは絶対好きだと思うよ」と言われていて、前回、前々回の京都旅行の時も行ってみたいと思いながら、”できるだけ効率よく”の京都観光ルートになかなか組み込めずにいたのでした。
やはりモンステラさんお薦め、大山崎山荘美術館もまさにツボでしたし、私の好みを熟知していらっしゃる彼女のお薦めには間違いありません。
明治生まれの河井寛次朗の主な作品は陶芸ですが、羨ましいことに芸術家というのは一つに留まらず多彩な芸を持っているもので、寛次朗も彫刻、絵画、書、文筆、デザインまで手がけています。
彼自身の設計で作られたこの家の中には寛次朗の作品だけでなく、彼の蒐集品も残されており、それが展示というより日常生活の中で使われていたように置かれているので、記念館を見学しているというよりもお宅にお邪魔しているという感じを受けます。
私は見てないのですが、最近テレビで特集があったり雑誌にも載る機会が多いせいか、思ったよりたくさんの方がいらっしゃってました。
でもこういう空間ですから、椅子に座って寛いだり(くつろぐは寛次朗の寛ですね!)、置かれている本を読んだり、お庭を眺めたりと、時間を忘れてゆっくりされていた方が多かった気がします。
下の写真は吹き抜けになっている二階から下を眺めたところです。
左には囲炉裏も見えます。
あの丸椅子はお尻がすっぽりはまって座り心地がとってもいいんですよ。

建物は中庭を囲んで変形のコの字になっています。
中庭は上と下の二か所にあります。
右の方に陶芸用の窯が見えますが、この建物の一番奥には8畳くらいはあろうかと思われるものすごく大きな登り窯があるのです!
このお庭や建物の雰囲気からは全く想像できない大きさでビックリしました。

石造りの招き猫。
頭の上にはずり落ちそうなくらい硬貨が乗せられていました。

こちらは上の段の中庭。
作りすぎず程々の感じがいいですね。

庭に咲いていそうな花でも味があります。
撮り方がちょっと雑でしたが。

こういうものは普段の生活の参考になります。

おみ足が美しい。。。

ここで本を読むこともできます。

ここでは受付で名前と住所を書けば写真を撮らせて頂けます。
最近は写真を撮る人が増えているせいで「撮らないで下さい」の標識が多くなりましたが、反対に「撮ってもいいですよ」の場所も増えてきているような気がします。
前回の記事で書いた志村ふくみさんの「一色一生」の中にはさすがにそうそうたる顔触れが並んでおり、志村さんが仕事を始める前や始めた頃に助言をもらった人の中には白洲正子や柳宗悦などと混じって河井寛次朗の名前もありました。
志村さんが離婚して子供を抱え、織の道に入ろうかどうしようか迷って寛次郎に相談した時、「この道は厳しく生半可な決心でやっていける仕事ではない。創作の間口は広いようにみえるが一歩踏み入れれば大変なものだから」といさめられたそうです。
そうはいっても河井寛次朗の作品は無邪気で大らかに見えるのです。
【河井寛次朗記念館】
場所: 京都市東山区五条坂鐘鋳町569
開館時間: 10:00~17:00(入館16:30まで)
休館日: 月曜(他にもお盆と正月前後はお休みです)
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