学校で以前書いたものを見ると、まるで肩肘付いて数秒で刷毛で撫でたような、
やる気のなさ、嫌々さがありありと見てとれる字でした。
使っている筆を見ると墨汁で岩のように硬くなっていたので聞いてみたところ
一年以上は一度も洗ってないらしいのです。
代わりに私の筆を使わせて、持ち方、姿勢から教えました。
「丁寧・根気」の欠けている彼女が20分持つかどうか心配しましたが
課題の漢字二文字を自分から何度も書き直して
気付くと一時間以上が過ぎていました。
もちろん書きあがった字は学校で書いた時とは別人のようで
それが自分でも分かるので、もっと上手に書きたくなったようなのです。
「今まで習字の時間になったら、あ~も~嫌やなあ~と思っとったけど
今日初めて楽しいと思った」 と嬉しそうに言われて大感激。
私が貸した筆の方が書きやすいらしく(当たり前じゃ)
大事にするならあげると言うと欲しがったので譲ることにしました。
***
先日親戚回りをした時、数年前に亡くなった伯母の残した書道具を
貰ってほしいと言われました。
大方は処分してあり沢山は残っていなかったのですが、
そのまま置いておくより使う人に譲りたいということで紙や筆、墨を頂いてきました。
大人になってからは会う機会も少なく自分も興味がなかったので
伯母がどういう風に書いていたのかは全く知らないのですが、
いただいた筆は長く大事に使っていきたいと思っています。
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