Somewhere Anywhere
日々の雑感を写真と共に
洗い張り 
2009/02/22 Sun. 12:59 [edit]
知っていたのは丁度読んでいた青木玉の「幸田文の箪笥の引出し」の
中に出てくる洗い張りのシーンだけ。
秋から春まで着る袷(あわせ)を梅雨のうちにほどいて洗う。
洗って干して乾かして取り込み、板張りが始まる。
ふのりを千切って水に浸し、煮溶かし、こし袋に入れて絞る。
のりは張る布に合わせて濃度を調節する。
布にのりを付け、張り板に拡げていく。
板の表に張ったらひっくり返して今度は板の裏にも張る。
張り板は太陽に当たるよう一日中移動させる。
こうやって汚れも取れ、水を吸って生き返った生地は
また着物に仕立てられていきます。
こんな気の遠くなるような作業をこの平成20年にやったの?!と
それはもうびっくりしたのでした。
御存じの方もいらっしゃるでしょうが
洗い張りは今はお店に出してやってもらうのですね。
それを知らず、この本のように家でやったと思い込み、
今時そんな家もあるのかと、とても驚いたのです。
洗い張りをする、着物を仕立て直す、という響きだけでも
背筋がピンとなり気持ちが引き締まる感じがします。
家族全員の着物姿。
写真館できちんと撮ったら、さぞかしかっこいいでしょうね。
category: 本
コメント
僕も,普段の生活を洗い張りする必要があるかも・・
那珂川流域 #X.Av9vec | URL
2009/02/22 22:40 | edit
那珂川さんを洗って、干して、のりを付けて、伸ばして、板に張って、陽に当てる。。。
想像してしまいましたよw
なんてシュールな絵なんだ…w
naomi #3un.pJ2M | URL
2009/02/22 23:26 | edit
今は目にすることがめったになくなって、知らない方も多いでしょうねぇ~
子供の頃、和裁を指導していた祖母がこの洗い張りをしていましたので懐しいです。
伸子張り(しんしはり)といって細い竹針を生地の両側に弓状に等間隔にはって生地の縮みを防いだりする方法です。
日本の美しい風景の一つでしょうね。
この下で遊んでいてよく叱られました。
今時家族の分全員仕立て直しは、大変そうだけど
家ですることは皆無でしょうね。
noa #AMZ1M8Og | URL
2009/02/23 10:09 | edit
私も最初お母さまが頑張って
洗い張りされたのかと思ってしまいましたw
着物を壊して洋服に仕立てるというのを前にTVで見たのですが、
着物ほどいて反物に戻す行程をみて着物ってすごいな~と思いました。
私もちょっとは着ないとなぁ~。モデルさん素適なお着物ですね(^^)
ヒツジ草 #nKD1BgzM | URL
2009/02/23 23:15 | edit
noaさん、
こんなに身近に洗い張りを見ていた方がいらっしゃったとは。
本の中には伸子張りの様子もありましたよ。
「縞、絣、友禅、乾くまでの間、庭を長く区切って揺れている景色は
他にはない風情があった」と書かれています。
色とりどりの布が風に揺られる様子が目に浮かびますね~
句の一首も詠みたくなったりして(笑
他にも私達が知らない作業をされていたのでしょうね。
昔の方には頭が下がります。
naomi #3un.pJ2M | URL
2009/02/24 00:47 | edit
ヒツジ草さん、
私もてっきり昭和初期のお母さんのイメージを膨らませてしまいました。
その友人は時々思いがけない事を言うので、まさかのこともアリかと(笑
洗い張りも他の作業も、手間と時間がかかって大変だなあと思ってましたが
浴衣を半日で作り上げてしまう、とあって、仕事もものすごく早かったのですね。
私がこの時代にいたら、もたもたして一日中怒られていそうです。
着物は憧れるけど、多分レンズ沼どころじゃない…(爆
naomi #3un.pJ2M | URL
2009/02/24 00:48 | edit
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